SSブログ

スタートしました [生産管理]

6月からこの暑さ…。

もう温室の中も外も暑くてたまらないのですが、残念ながら夏場の市場価格は寒いの一言に尽きます…。

色々な意味で施設園芸農家にとってつらい時期がやってきました…。

夏は花持ちも悪いので相場がでなくても仕方がないところもあるのですが、採花・選抜・出荷というコストは真冬も真夏も変わりません。
そこで、この時期の切花農家さんは、出荷を一時停止し秋以降に向けての準備に入るのが一般的です。

当園でも今まで頑張ってくれたアルストロメリアも、さすがにこの暑さで本来の発色が出にくい品種もでてきていますし、全体的に草丈も短く細めになってきてしまっていますので、いよいよ植え替え(移植)作業へと入ります。

植えかえ.jpg


今年は、土中環境の変化を少なくするため、尺鉢での栽培を増やしてみました。
土の消費量が通常栽培と比べ多くなってしまうのがネックですが、厚く深く植えられるので植物にとってはストレスがかかりにくく良い生育が期待できます。

とはいっても、日常の管理が一番重要なんですが…。

アルストロメリアの花壇 [徒然]

稚拙な文章で恐縮ですが、今月の『はなとやさい6月号』(タキイ種苗)へアルストロメリアの記事を書かせて頂きました。
その中で作業場前の花壇へ植えたアルストロメリアの冬の様子が載っているのですが、その花壇が咲き始めましたので、状況をお知らせ致します。

アルストロ花壇.jpg


いろいろな品種を植えてみたので、ちょっと色目がガチャガチャになってしまいました。
また、残念ながら、先日の季節外れの台風と雨でちょっと倒れ気味です。

雨と言えば、今年は例年になく早い梅雨入りで、先週までとても良い状況で成育していたアルストロメリア・スポットレスにボトがだいぶ出てしまいました。
当園では交配する都合上、バチルス菌(納豆菌)を使った予防がメインで、あまりケミカルの殺菌剤などは使わないようにしています。なので、一度出てしまうとなかなかやっかいで、ボトが収まるまで出荷を停止せざるを得ません。

大変申し訳ございませんが、しばらくスポットレス系やリグツ系などの出荷はごく限られた量になります。

ボトと言えば、不思議なのが路地でのアルストロメリアです。
当たり前ですが、路地ですので常に夜露や雨に濡れていますが、あまりボトが出たりしないのです。
恐らく、風が通り抜けていたりボトリチス菌の分布が薄いなど理由があるとは思いますが、温室育ちは少し弱いのかもしれませんね。

共通テーマ:趣味・カルチャー

アルストロメリア ゾエルネリ 出荷開始です。 [開花情報]

まずはじめに、東日本大震災において被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復興をお祈り申し上げます。
私共もチャリティ販売などを通して、微力ながらお力になれるよう継続した活動をしていきたいと思います。

さて、今年もリグツ系やスポットレス系、原種系のアルストロメリアの出荷が始まりました。
恐らくアルストロメリアの中で最大級の大きさを誇るゾエルネリ。こちらの出荷も始まりました。

ゾエルネリ.jpg


比較として、原種アルストロメリア『インカルナータ』と撮影してみました。
インカルナータは、リグツ系のような一般的なアルストロメリアと同じ大きさですが、比べてみるとまるで子供のようです。

ただし、ゾエルネリは一箱に何本も入りませんので、基本的に受注出荷とさせて頂きます。
よろしくお願い致します。

共通テーマ:仕事

グラジオラス ラティフォリウスHyb [出荷情報]

グラジオラスの出荷が始まりました。

グラジオラス ラティフォリウスHyb
gladioluslatifolius.jpg


今年は培土のブレンドを変え、資材もフザリウムを抑えるという生物資材を使い栽培しています。
その甲斐あってか、今年のグラジオラスは病気もなく近年稀に見る良い出来です(苦笑
この機会に是非!

年頭にあたり [徒然]

昨年は大変お世話になり、有難うございました。
本年もよろしくお願いいたします。

思い返してみれば、昨年はドイツのIPMに始まり、公私にわたり何かと慌ただしい1年で、なかなか思うようにいかない年でした。
しかし、最後はジャパンフラワーセレクションのベストフラワー賞2つと同時にジャパンデザイン賞、フレグランス特別賞と2品種で4つ賞を頂き、終わりよければ、という感じで終れたのは良い1年だったのかもしれません。


すっかり遅くなってしまいましたが、そのベストフラワー賞受賞のご報告です。

rougeprista.jpg

ベストフラワー賞&フレグランス特別賞を頂いた『ルージュプリスタ』
私の付けた仮の名前は『ブランルージュ』だったのですが、社長に却下され『ルージュプリスタ』に…。
しかし、受賞となれば、文句も言えないですね(苦笑
舞妓さんが目じりにつける紅を思わせる色彩とすっきりとした香りが魅力のアルストロメリアです。
ジャパンデザイン賞ではないのですが、こちらも和洋どちらにも良く合う品種です。

melorina.jpg

ベストフラワー賞&ジャパンデザイン賞を頂いた『メロリーナ』
メロン色した花だからという理由で?従業員が名付けてくれたメロリーナ。
爽やかなライトイエローにライムグリーンのブロッチ、アルストロメリア独特のスポットを排したクリアで透明感のある色彩が魅力です。
この品種の展示がちょうど春だったので、日本人が古来より思う春や初夏の色彩とマッチしたのも受賞につながったのかもしれません。

このような賞を頂いたことは、大変ありがたく思っております。
しかし、賞を頂いた、オリジナルだといっても、それ相応の品質があって初めて訴求できるものです。
今年は(今年も?)生産管理をしっかりと行い実が伴った栽培をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

赤と黄色 [出荷情報]

昨今流行りの断捨離ではないですが、育種をしながら営利生産を行うとなると、必ず必要になってくる作業が『捨てる』という作業です。

どれを捨てどれを残すのか、その選抜基準は様々ありますが、当園が一番重要としているのが『新奇性』があるかどうかです。

今回ご紹介するアルストロメリア『ピッコロレッド』と『ピッコロイエロー』は、もう20年近く前に選抜された品種ですが、今見てみてもこの鮮やかな赤と黄色は他にはない新奇性のある品種だと思います。

ピッコロ.jpg


ただ、この品種、保存種として温室の片隅にある程度の栽培量です。
もし、目にする機会があるならば、それはすごいラッキーなことなので、ぜひ手に取りレジへ向かってください(笑

もう少し…(ラケナリア ヴィリディフローラ) [開花情報]

今年は残暑が厳しくなかなか球根の植え付けがスタートできず、涼しくなったと思えば一気に寒くなったりと、唯一ゆっくりできる季節なはずの秋が今年は忙しいという悲しい状況で、ブログが更新できずにいました(言い訳

さて、そんなわけで、いきなり涼しく、というより寒くなってしまったので大慌て植え付けたラケナリアの一部に蕾が上がってきました。
この画像はその中でも人気の高い原種の一つであるラケナリア ヴィリディフローラですが、開花まではあと1カ月程度かかると思います。
このヴィリディフローラ、透き通るようなエメラルドグリーンの花が魅力なのですが、綺麗さゆえか、悲しいことに原産地では乱獲がすすんでしまっていると聞いています。

ラケナリアヴィリディフローラ.jpg


ラケナリアは南アフリカはケープ地方を代表するケープバルブの一つです。
原種も多くバラエティに富んでいます。また、独特な斑点の入る多肉質な葉も魅力の一つで、花のない時でも目を楽しませてくれる優秀な原種だと思います。

原種には原種にしかない魅力があります。
COP10が開催されたこともあり、今まで情報の一部でしかなかった原産地に関して考えさせられる機会がありました。
サステイナブルという言葉をよく聞くようになって久しいですが、園芸がこれからも持続可能な文化であるよう我々農家もきちんと責任を果たしていかなくてななりませんね(MPSデータ提出、もう少し待ってください 汗

ベラドンナリリー フェイバリット 出荷開始です [出荷情報]

学名的に言うとチョットややこしいのですが、このベラドンナリリーこと『アマリリス ベラドンナ』こそが本来のアマリリスで、一般にアマリリスと言われているのは『ヒッペアストラム』というのが正しいと言うことになっています。

しかし、『ヒッペアストラム』は『アマリリス』で浸透していますし、今まで通りヒッペアストラムを『アマリリス』と呼び、アマリリス ベラドンナを『ベラドンナリリー』と呼ぶのが一般的です。

さて、そんなベラドンナリリーは別の学名を『ブルンスビギア ロゼア』とも言い、『ロゼア』の名前が付いている事からも分かるとおり、本来はピンク色です。

当園のオリジナル品種の『フェイバリット』は、従来にはない白系のベラドンナです。
実際には『純白』というわけではなく『オフホワイト』で、逆にそれが香りと相まってブライダルで好まれてお使い頂いているようです。

favorite.jpg


今年はあまりの暑さで、なかなか蕾が上がってこなかったのですが、ここ最近の涼しさで一気に上がってきてしまいました。
ゆっくりと涼しくなっていくような年ですとポツポツと咲いて長く出荷できるのですが、残念ながら今年はあまり長くは出荷できないと思います。

当園のお気に入り品種の『フェイバリット』 この機会に是非お使いください。

アマリリスベラドンナの出荷が始まりました [出荷情報]

『美しい淑女』を意味するベラドンナリリー(アマリリス ベラドンナ)。
今週からやっと出荷開始です。

ベラドンナピンクシェード.jpg


ベラドンナリリーは『香り』と『超多輪咲き』が特徴ですが(1本辺り16輪程度付きます)、それ故、頭が重すぎて垂れて咲いてしまうという欠点がありました。
当園で育種選抜された系統は、基本的にステムが丈夫で首も強く最後まで垂れずに咲ききるのが特徴です。

特に来週辺りから出荷開始される予定の『フェイバリット』は、そんなベラドンナのネガを払拭した系統として人気を頂いています。

気がつけば8月 [徒然]

今更ですが、ずいぶんと更新していないことに気づきました(汗

6月からはアルストロメリア リグツ系の交配作業が始まり、今年はそれと並行するようにアルストロメリア カリオ系(切り花向け品種)の植え替えが始まり、てんやわんやの忙しさのまま気がつけば7月…。

7月は、急遽フラワードリーム2010へ参加となり、交配や植え替えの合間を縫いながら準備をし、「これが終わったら絶対休みを取る!」と思っていたら、最終日の夜から食中毒でダウン…。
まぁ、確かに休みは取れましたけどね…。

ダウンしてからというもの、どうも体調が本調子に戻らず、アレな人が引くと言われている夏風邪を引いてみたり、そんな中、今度は交配したアルストロメリアの種取がサウナのような温室で始まり、またそれと平行して球根の堀上がスタート。さらに夜には来春の見積もりの作成や提供する写真の準備を行い、一体全体いつになれば暇になるのか、なるほど、これが貧乏暇なしと言うやつかと一人納得している今日この頃です。

植え付けベット.jpg

アルストロメリアの植え替え後の様子。 晩秋から初冬にかけて切り花が始まると良いのですが、連日の酷暑で休眠が深くなってそうなので、年明けにずれ込むかもしれません…。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。