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出荷したくても出来ないのです [開花情報]

アルストロメリア ゾエルネリ(Alstroemeria zoellneri )という原種があります。

切り花での流通はゼロ。ごく少量、球根と苗で流通しているという、原種の中でもレアな部類に入る品種です。当園でも流通は球根と苗のみとなっていますが、本当は切り花もやってみたいと思っています。

しかし、この品種は切り花にしたくてもできない事情があります。
花持ちも良い。見た目も良い。インパクトもある。でも、切り花には出来ないのです。



なぜなら、、、とにかく大きいからです(汗


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写真ですと分かりづらいかもしれませんが、1本の直径が30㎝近くあります。ものによってはそれ以上になります。1箱に入っても6本程度。これでは、いくらなんでも採算が取れません(泣

残念ながら実物をお見せできないので、せめて写真だけでも…。

シンプルに追い求めました [出荷情報]

アルストロメリアには様々な原種があり、また園芸品種もあります。

実際のところ、皆さんが一般的にアルストロメリアというと、大型でボリュームのあるオランダのパテント付き品種を思い浮かべると思います。

これらは、バタフライ系などと呼ばれ、ペレグリナやモデスタという大型の原種をベースに豊産性のオーランチアカという原種を交配したものだと思います(恐らくアメリカの育種家、故フレッド=マイヤー氏が育種した品種群が基になっていると思います)。
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画像は、ペレグリナ ロゼアです。

これらの品種群はとても豊産性で育てやすく、1本でもかなりのボリュームが取れ軸も太くて折れ難く、営利的に素晴らしい系統だと思います。とても当園の品種では太刀打ちできないモノです。
しかし、以前と比べ色幅はだいぶ増えたようですが、基が同じなので、花姿がどれも似通ってしまうと言う特徴もあります。

そんなオランダ系の品種群と当園のスタートラインは一緒でした。

ただ、当時の花業界はバブル真っ盛りだったこともあり、当園では豊産性と言ったことは二の次で、ただ綺麗だと思う花を育種し続けました。その結果、アルストロメリアの企業的、営利的な育種という観点では、オランダに完敗したと思います。これをアルストロメリアの『ガラパゴス化』と言います(苦笑

その綺麗だと思う花姿を追い求めて育種されたのが、やっと出荷開始されたシンプルシリーズのなかの『シンプルチェリー』です。
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シンプルシリーズの特徴は、完全に受け咲きになる花姿と、スポットやストライプの一切混じらない花色。
大型の品種でありながら花は小ぶりで、和洋どちらにもお使い頂けます。
豊産性は度外視ですので、出荷期間は恐らく2週間程度となる見込みです。
この機会をお見逃しなく!

シリーズですので、チェリーの他に、ローズ、レッドがありますが、こちらはまた来年で(汗

アルストロメリア リグツ系 バリエガータ [出荷情報]

当園のオリジナルで『アルストロメリア リグツ系 バリエガータ』という品種があります。
最近よく出荷している『アルストロメリア カリオ系 バリエガータ』とは違い、リグツ系から育種した品種です。

ですので、出荷時期がカリオ系と比べ短いのが残念ですが、軽やかで涼しげな葉姿が他の斑入り品種にはない魅力があります。
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花が咲く前の葉をメインで出荷しているので、あまり花を出荷することはないのですが、実は結構カワイイ花が咲きます。
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これから6月上旬にかけて、『花』のあるバリエガータが出荷されます。
出荷量は少ないですが、見かけたら是非手に取ってみてください。

クリムソンクローバー [徒然]

私がオランダで丁稚奉公をしていた時、毎朝の日課は草取りでした。

バケツを持って圃場を一回りするのですが、今考えてみると、これはとても良い仕事だったと思います。
植物は毎日のように変わりますので、水やりのタイミングや病害虫のチェック、また花芽の確認や堀上を開始する時期など、雑草を抜きながら圃場をしっかりと見て回る時間がとれ、一石二鳥と言うわけです。

しかし、初春から初夏にかけての目が回るような忙しさの中、あまり草取りをしている時間は取れません。
除草剤は手っ取り早いですが、植物が栽培されているので撒くわけにもいかないですし、そもそも除草剤は畑を荒らします。

そこで、5、6年前から行っているのが、畑のグランドカバーです。麦やマメ科の植物を蒔いてグランドカバーにして雑草の抑制を図り、と同時に後で一緒に耕すことで緑肥としてもつかえ、これもまた一石二鳥と言うわけです。

昨年はライ麦を蒔きましたが、あまりにも背が高くなり刈るのが一苦労だったため、今年はクローバーを蒔きました。

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特にマメ科の植物は根に根粒菌というのがあって、自分で窒素化合物を生産して土壌を肥やす働きがあります。
うちの畑に蒔いたところ、かなり生育差があり、ろくに管理してこなかった感がありありと見て取れます(汗

蒔いたクローバーは『クリムソンクローバー』
シロツメクサが有名ですが、こちらの方が耐寒性が強く、そして耐暑性が弱いため、草を刈る手間もなく枯れ自動的にマルチにもなりそうなので、お勧めな予感です。

また、花も可愛らしく夏越しさえすれば秋口にも咲き、『ストロベリーキャンドル』などと言う名前で切り花でも流通しています。

ライ麦畑で [出荷情報]

16歳になったら読んだ方がよいとか言われている『ライ麦畑でつかまえて』ですが、多分に漏れず私も16歳の時に読みました。
残念ながら当時の私では色々と経験値が足りず、また野崎さんの訳が読みづらくてまったく感情移入できずに、ただ読んで終わってしまった感じがしました(失礼

しかし、大学の頃、再度読み直してみると、当時のはやり言葉で書かれたこの訳も、これはこれで味があり、「なるほど、『ライ麦畑のつかまえ役』とはそういう意味か」とモラトリアムまっただ中の自分とすこしかぶって感じたモノです(しみじみ

ホールデンが妹のフィービーに自分の夢を語る台詞から、私は長らくライ麦とは子供の背丈程度しかないのだろうと勘違いしておりましたが、自分で栽培してみてビックリ、大人の背丈をも超え、2メーター以上になります。

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さて、そんなライ麦の出荷が始まります。
ぜひこの機会に、この間亡くなったJ.D.サリンジャーを偲びつつ、皆さんの『ライ麦畑…』を語ってみてはいかがでしょうか。

ラペロージア(現フリージア) [出荷情報]

最近『フリージア ラクサ』へと名前が変わったラペロージア。
当園で栽培されている数品種のうち、デバリガータ、クレエンタ、クレエンタ アルバの3品種の出荷が始まりました。

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白地に赤のブロッチが可愛らしいデバリガータ

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ローズピンクのクレエンタ

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ホフホワイトのクレエンタアルバ

球根植物ですので、開花時期が限られていますのでお早めにどうぞ。

伝わりにくいもの [出荷情報]

ゼフィラ エレガンスという花があります。

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この花の素晴らしさは見た目以上に『香り』にあります。
バニラのような甘い香りといいますか、桜餅のような香りといいますか、兎に角、心地よい香りが魅力の花です。

もちろん、香りだけではなく、花弁はネリネ サルニエンシス(ダイヤモンドリリー)のような光沢感があり、光を受けてきらきら輝くところも素敵です。

香りには、品のある香りとない香りがある、と言います。
ある程度の本数がまとまっても香りが一定以上強くならないものを『品のある香り』と言うそうです。
写真や説明だけではどうしても伝わらないこの甘くて『品のある香り』を是非お楽しみ下さい。

カラー(ザンテデシア)の出荷が始まりました [出荷情報]

カラー エチオピカ プレナの出荷が始まりました。

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カラー(ザンテデシア) エチオピカ プレナ(吹き詰め咲きカラー)

私、カラーにはあまり詳しくないのですが、簡単に説明をしますと、一般的に花と思われている花弁のようなものは花ではなく、中心部の黄色い部分(肉穂花序)の部分が花です。ちなみに、上部が雄花で、下部が雌花です。

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このカラーは、雌花部分が全て弁化しているという、世にも珍しい品種です。
当園で栽培されている品種の中でも一際ユニークかつレアなこのカラー、お値段は少々張りますが、ぜひ一度実物を見ていただければと思います。

ガーデニング [徒然]

オランダの種苗会社に行くと、その会社で販売している球根や宿根で彩られた庭がエントランスにあるのをよく見ます。
当園でも、出荷場前の花壇が空いたので、それを利用して栽培品種で庭を作ることにしました。
第一回目は、やはり柱でもあるアルストロメリアを植えてみました。

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奥には比較的草丈のあるリグツ系を植え、その前にはリグツよりもやや背の低いスポットレス系を。そして、一番手前には動きのある原種系を植えて、イングリッシュガーデンのように立体的な花壇を目指してみました。
少しスペースが空いていますが、そこへは半耐寒性の原種系と球根植物を植えるつもりです。

また、最近はあまり出荷していませんが、リグツ系やスポットレス系、そして原種系とすべて切花でも十分楽しめます。ある程度庭で鑑賞したら、切花として家の中で飾ってもよいですし、プレゼントにするのも喜ばれると思います。
アルストロメリアのリグツ系やスポットレス系、そして一部の原種系は、耐寒性が強いため、露地栽培も可能です。また、数年植えっぱなしにしたほうが株立ちになってよい品種もありますので、管理も比較的簡単です。
これから暖かくなってきますので、ぜひアルストロメリアを使ったガーデニングにトライしてみてください。

パピリオの出荷が増えてきます [出荷情報]

ポツポツと出荷していたパピリオですが、恐らく今週から来週にかけてが出荷のピークになると思いますので、ご期待下さい。

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さて、実は今月発売の『花時間 4月号(角川マガジンズ)』にて当園の特集をして頂きました。今回はメインでもあるアルストロメリアやリューココリーネ、アマリリス以外にも、色々な球根草花を取り上げていただき、ありがとうございました。

検索かけてもあまり出てこない花ばかり出荷してくる三宅花卉園ってどんなところなんだろうとお思いの皆様、ぜひ手にとって見てください。

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