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アルストロ植替ほぼ完了 [生産管理]

すっかりさぼってしまいました。

仕事は、貧乏暇なしを絵に描いたような日常で、サボるなんて贅沢は出来ませんでしたが…。

そんなこんなで、気が付いたらすでに7月。
半年以上出荷しておりましたアルストロメリアも先月から順次植え替えを進め、先日ほぼ終了しました。
カリオ植え替え.jpg

千葉、特に圃場のある茂原は、最近では関東の最高気温が出てしまうほど夏は暑く、正直、アルストロを栽培する環境としては、あまり適地とは言えません。
しかし、育種を進めてきた結果、どうにかオランダ系とまではいかないまでも、かなり近い豊産性種が出来てきています。
今後は、ある程度品種を絞り込み、無駄を省きながらも、いかに『らしさ』を残せるような選抜を行えるか、そのあたりを試行錯誤していきたいと思います。

その後 [生産管理]

1カ月以上更新しないと広告がトップに来てしまうんですね…。

さて、昨年末に播いたベラドンナリリーですが、あれで本当に発芽したのかと疑問に思う方もいるかもしれませんので、ご報告いたします。
IMG_0355.jpg

このように殆ど発芽し、先日タネが全て隠れる程度に覆土をしました。
2年程度そのまま管理しても良いのですが、少しでも早く大きくさせたい時は、2年目で4寸程度ののポットへ鉢上げします。
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これが実生2年目、一昨年播いたものです。
一昨年は、土作りが良くなかったので発芽率が悪く、その後の生育も悪かったので、残念ながらあまり大きくなっていません。
IMG_0356.jpg

これが、実生3年目、4年前に播いたものです。
この年から私が育種を開始しました。開花まで、あと3~4年といったところでしょうか?

このように、多かれ少なかれ球根植物は実生から開花までそれなりの時間を費やします。

親父は、自分が育種した花が咲きそうになると、夜明を待たずに見に行って少し硬い蕾を開いてどういう花が咲くのか確認することもあった、と言っていましたが、そういう情熱があって初めて育種家になるのでしょうね。
私が育種家になるには、もう少し時間がかかりそうです。

事後園芸のススメ [生産管理]

花卉園芸業界で『花育』を謳うようになって久しいですが、あまりフォローされていないのが『園芸』を楽しんだ後の園芸、つまり『事後園芸』です。
・・・とは、私の言葉ではなくNHK「趣味の園芸」等で活躍されている長岡さんのお話の中に出てきた言葉なのですが、確かにその通りだと思います。

勿論、花の一般消費を増やすためや情操教育としての花育は大いに大々的にやって頂きたい。
しかし、花を買ってもらった後にどう楽しむのか、そして、楽しんだ後どうやって管理すればまた来年以降も楽しめるのかといった、「その後」の花育も行っていく必要があると私も思います。

確かに、毎年毎年どんどん消費してくれれば業界としては嬉しい限りですが、一般的に良い経験をしないと次もリピートしようとは思わないですし、特に最近、悪い意味で花がコモディティ化してきていますので、今こそこういう花育が必要なのかもしれません。

そこで、隗より始めよと言うことで、まずはタイムリーなところから、いま私が行っているベラドンナリリーの実生の方法をご紹介します。

まず、ベラドンナリリーは取り播きですので、ある程度種がまとまったら播きます。
実生する培土は、元肥などは入れず水はけの良い培土が好ましいです。
ベラドンナピンク種.jpg

ピンクの種は、種もピンク色をしています。
柘榴のようでなかなか綺麗です。

ベラドンナ白種.jpg

白は、種も白いです。
これなら混ざっても見分けがつきますね。

ベラドンナ種まき2012.jpg

実生一年目は、葉も細く20センチくらいにしか大きくならないので、ある程度密植して播いてしまっても大丈夫です。

ベラドンナ種まき覆土.jpg

種をまいたら、軽く填圧してタネがある程度露出するように覆土します。
極端に言うと、ベラドンナの場合は好光性種子ですのであまり覆土しなくても発芽します。

後は発芽が揃ったらもう、もう一度、今度は種が隠れるくらい覆土します。
2年目までは、この状態で管理しても大丈夫ですが、速く大きくしたい場合は間隔をあけて植え替えます。
そして、3年目以降は、6寸ポットに4~5球植え付けます。
上手く栽培できれば、6年後くらいに開花してくれると思います。
また、植え替えるタイミングとしては、秋、葉が伸び出す直前頃が適期です。

6年というと長いように感じますが、逆に考えれば6年間も楽しめるということです(笑)
また、実生すると変異が出ます。もしかしたら、あっと言わせるような素晴らしい品種ができるかもしれませんので、6年間もワクワクしながら過ごすこともできるわけです(笑)

ベラドンナリリーの実生 [生産管理]

種を播かねば芽は出ない
故平尾秀一先生が、私共のような個人育種家に良く話されていた言葉として、私も社長から聞いています。

諺の「まかぬ種は生えぬ」と育種というものをかけているのでしょうが、これがなかなか簡単そうに見えて難しいのです。
言い訳ですが、花の咲いている時期というのは、それはつまり出荷の時期です。
出荷の時期は、朝、採花・調整・水揚げを行うと、だいたいお昼で、各市場の動向を見ながら荷配りと納品書の作成と箱詰めをして…と、出荷作業が終わる頃には、既に夕方というパターンがルーチン化します。

この環境の中で、じっくりと交配する時間を作るのは、なかなか難しく、「あの花の交配は明日やろう」とか少しだけでも先延ばしすると、時期を逸して「また来年」という事になってしまいます。
平尾先生の「種をまかねば芽は出ない」の言葉は、結構重いものだと交配をするようになって感じます。

交配しても種をまかねば意味がないので、種をまくわけですが、一言で種をまくと言っても色々とあります。

タイトルのベラドンナリリーの場合は、取り播きで行い、好光性ですので、覆土は種が多少露出する程度に軽く土をかぶせます。
ベラドンナ実生.jpg


ベラドンナは実生してから、うまく栽培すれば5年程度で花が見られますが、実際の花を確認するには6、7年かかります。
この実生したベラドンナリリー、またブログで紹介できる日が来るといいのですが(笑)

放任主義 [生産管理]

数年前から球根や苗を販売する際、農薬の使用の有無と使用した場合はその種類を記載する事になっています(今年は放射線の問題もあり、どういう培用土を使っているかも記載しています。)

当園の場合は、基本的に『なし』と記入するのですが、実際のところどうなのか、その様子を少しご紹介します。

堀上げ.jpg


見ての通り草だらけです。
何がどうなっているのかよく分からないと思いますが、アガパンサスの堀上げをしているところです。
もう、除草剤とか全くかけていないので草は伸び放題で、アガパンサスがどこにあるのか発見するのにも苦労する状態ですが、確かに農薬は使っていないのがご理解頂けると思います。

というか、本当はきちんと手入れしてアガパンサスが見事に開花している状態になっているはずだったのですが、昨年社長の提案で雑草除けのために播いたシロツメクサが絨毯のように雑草化するという本末転倒ぶりで、どうにもこうにも手が付けられない状況になってしまい、仕方なく放置となった次第です。

しかし、このままでは雑草にアガパンサスが完全に負けてしまうので、従業員と2人で堀上げているのですが、何せ畑のど真ん中で雑草に囲まれているので風は来ないし、蒸し暑いし、あまつさえ慣れない鍬仕事で手にはマメができるしで、久々にフランスでの研修を思い出しました。

スタートしました [生産管理]

6月からこの暑さ…。

もう温室の中も外も暑くてたまらないのですが、残念ながら夏場の市場価格は寒いの一言に尽きます…。

色々な意味で施設園芸農家にとってつらい時期がやってきました…。

夏は花持ちも悪いので相場がでなくても仕方がないところもあるのですが、採花・選抜・出荷というコストは真冬も真夏も変わりません。
そこで、この時期の切花農家さんは、出荷を一時停止し秋以降に向けての準備に入るのが一般的です。

当園でも今まで頑張ってくれたアルストロメリアも、さすがにこの暑さで本来の発色が出にくい品種もでてきていますし、全体的に草丈も短く細めになってきてしまっていますので、いよいよ植え替え(移植)作業へと入ります。

植えかえ.jpg


今年は、土中環境の変化を少なくするため、尺鉢での栽培を増やしてみました。
土の消費量が通常栽培と比べ多くなってしまうのがネックですが、厚く深く植えられるので植物にとってはストレスがかかりにくく良い生育が期待できます。

とはいっても、日常の管理が一番重要なんですが…。
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