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事後園芸のススメ [生産管理]

花卉園芸業界で『花育』を謳うようになって久しいですが、あまりフォローされていないのが『園芸』を楽しんだ後の園芸、つまり『事後園芸』です。
・・・とは、私の言葉ではなくNHK「趣味の園芸」等で活躍されている長岡さんのお話の中に出てきた言葉なのですが、確かにその通りだと思います。

勿論、花の一般消費を増やすためや情操教育としての花育は大いに大々的にやって頂きたい。
しかし、花を買ってもらった後にどう楽しむのか、そして、楽しんだ後どうやって管理すればまた来年以降も楽しめるのかといった、「その後」の花育も行っていく必要があると私も思います。

確かに、毎年毎年どんどん消費してくれれば業界としては嬉しい限りですが、一般的に良い経験をしないと次もリピートしようとは思わないですし、特に最近、悪い意味で花がコモディティ化してきていますので、今こそこういう花育が必要なのかもしれません。

そこで、隗より始めよと言うことで、まずはタイムリーなところから、いま私が行っているベラドンナリリーの実生の方法をご紹介します。

まず、ベラドンナリリーは取り播きですので、ある程度種がまとまったら播きます。
実生する培土は、元肥などは入れず水はけの良い培土が好ましいです。
ベラドンナピンク種.jpg

ピンクの種は、種もピンク色をしています。
柘榴のようでなかなか綺麗です。

ベラドンナ白種.jpg

白は、種も白いです。
これなら混ざっても見分けがつきますね。

ベラドンナ種まき2012.jpg

実生一年目は、葉も細く20センチくらいにしか大きくならないので、ある程度密植して播いてしまっても大丈夫です。

ベラドンナ種まき覆土.jpg

種をまいたら、軽く填圧してタネがある程度露出するように覆土します。
極端に言うと、ベラドンナの場合は好光性種子ですのであまり覆土しなくても発芽します。

後は発芽が揃ったらもう、もう一度、今度は種が隠れるくらい覆土します。
2年目までは、この状態で管理しても大丈夫ですが、速く大きくしたい場合は間隔をあけて植え替えます。
そして、3年目以降は、6寸ポットに4~5球植え付けます。
上手く栽培できれば、6年後くらいに開花してくれると思います。
また、植え替えるタイミングとしては、秋、葉が伸び出す直前頃が適期です。

6年というと長いように感じますが、逆に考えれば6年間も楽しめるということです(笑)
また、実生すると変異が出ます。もしかしたら、あっと言わせるような素晴らしい品種ができるかもしれませんので、6年間もワクワクしながら過ごすこともできるわけです(笑)
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